グローカルコラム 66

外貨預金のカラクリA

前回、銀行の外貨預金にはメリットがないことを述べましたが、予告の通り今回は、安い手数料だけを利用した外貨保証金取引の活用方法を紹介します。

原理的には、非常に単純です。ちょっと考えてみてください。「外貨保証金取引はハイリスクハイリターン」だと思われがちですが、なぜハイリスクなのでしょう。それはレバレッジをかけるからです。つまり、小額を保証金(担保)にして、多額の取引をおこなうからハイリスクになるのです。通常の外貨預金はレバレッジをかけずに、「投資資金=取引金額」なのでリスクは低いわけです。すると、レバレッジをかけずに外貨保証金取引を活用すれば、通常の外貨預金と同レベルのリスクとなります。しかも、手数料は外貨保証金取引の手数料体系が適用されるわけです。これが理解できると、本当に銀行の外貨預金が馬鹿らしくなります。

具体的には、例えば、1万ドルを外貨投資しようとしたときに、外貨保証金取引

なら10万円の保証金で可能になります。だからといって、必ず10万円でなければならないということではなくて、それ以上多くても問題ありません(少ないと取引できませんが)。例えば、1ドルが105円前後なら1万ドルは105万円相当ですから、105万円を保証金として入れておいてしまえばよいのです。つまり、105万円を保証金として入れておきながら、1万ドルしかドルは買わないということです(買おうと思えば10万ドル買えるにもかかわらず)。

これであれば、レバレッジはほぼゼロですから、ローリスクローリターンの外貨預金と何ら変わりはありません。ところが、手数料は保証金取引と同額になりますからメリットは大きいのです。銀行であれば、1万円(往復2万円)の手数料となりますが、保証金取引の場合、ネット系なら1000円以下が一般的です。仮に1000円としても9000円(往復18000円)の得ということです。すると、「保証金取引では金利がつかない」という人がありましょうが、保証金取引でもドル買いの場合、日米の金利差分をスワップポイントという形で金利としてもらえます。このスワップポイントは、もちろん固定されたものではありませんが、通常のドル預金よりは多い場合がほとんどです。ただし、ドル売り(円買い)した場合には、逆にスワップポイントを支払わなければなりません。

また、保証金取引では、ロスカットルールというのが採用されていて、相場により保証金の比率が一定以下(基準比率は各業者により異なる)になると、強制的にポジションが仕切られて損が確定してしまいますが、この方法だと、まずロスカットされる心配はなくなります。ただし、ローリスクローリターンですから、レバレッジをかけたときのような利益を狙うことはできません。例えば、先の例ですと一円の円安で1万円の利益だけです(レバレッジをかけた場合は、10万円の利益が得られます。

この理屈が理解できれば、自分にあったリスクを選んで取引すればいいわけです。「10倍ものレバレッジは怖いけど、レバレッジがゼロだと面白みに欠ける」と思うのであれば、その中間のリスクでやってみてもいいのです。先の例で言えば、1万ドルの取引に対し、105万円でなく、50万円や60万円の保証金でやってみる、という具合です。これで「ミドルリスク・ミドルリターン」となりますし、もちろん保証金の額は各自のリスク許容度にあわせて決めればいいのです。

さぁ、これでもまだ銀行の外貨預金をやろうと思われますか? ただし、外貨保証金取引では、まだ悪徳業者が多いのも事実です。電話で執拗に勧誘してくるような業者は要注意です。できればネット系の口座が、手数料を考えてもいいですね。ただしネット系の場合は、入力ミスやクリックミスだけには注意してください。「売り」「買い」、「指値」「成行」、「10000」「100000」などのクリックミスを犯すと思わぬ損失につながります。


(次回へつづく)

                              (2004年12月9日)



             注意

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