グローカルコラム 67



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(2005年11月9日)


海外の銀行に口座をもつ

このホームページの「当社のサービスのご案内」の中には、「海外金融機関への口座開設サービス」というのがあります。何度か依頼をうけて口座開設のお手伝いをしたことがあるだけで、特に積極的に取り組んでいる業務というわけではないので、くわしい案内は公開しておりません。たまに問い合わせのメールをいただいた際に、個別に詳しい内容を説明させていただいております。最近はペイオフの完全解禁を控えているという理由かどうかは分かりませんが、海外に口座を作りたいという人の問い合わせが増えてきています。海外の金融機関に口座を持つことに関心を抱く人が増えていることだけは間違いなさそうです。

ところで、日本には数え切れないぐらいの金融機関があるにもかかわらず、どうしてわざわざ海外に口座を開く必要があるのでしょう。いろいろな理由はあるにせよ、主だったメリットは三つだと思います。一つ目は、「安全性」です。改善の兆しは見えているとはいえ、日本はまだ金融不安の状態だといえます。大事な資産を預けておくにはどこの金融機関でも不安が残ります。しかも、ペイオフの完全解禁を控えていますので、来年4月以降は利子のつかない決済性預金以外は1000万円(とその利息)までしか保護されません。「1000万も持っていない」という人には関係のない話ですが、それ以上の預金を持っている人や、これからそれぐらいは貯められるという人にとっては切実な問題です。「国民の生命と財産を守る」のが国家の役割であるにもかかわらず、財産の保護に国家自体が法律で制限をつけるわけですから、「国のお世話になどならずに、自分で安全を確保しますよ」と思う人が増えても不思議ではありません。それでは、どうすれば一番安全かというと、日本以外の安全な金融機関に預けるということが考えられるわけです。すると、どうやって安全かどうかを判断するかが問題です。金融機関の安全性をみるうえで指標となるのは格付け機関の格付けでしょう。私自身、この格付けを全面的に信用しているわけではありませんが、一定の根拠を持つものとして参考にでき得るとは思っています。調べれば、世界中には日本の金融機関より高格付け(つまり安全度が高い)の金融機関がたくさんありますから、そちらに資産を移したいと思うのも自然な感情でしょう。例えば、私が主として紹介している香港の銀行は、日本のメガバンクで最も格付けの高い東京三菱銀行以上の格付けを得ています。この銀行は、私自身もメインバンクとして使っている銀行ですので、格付けを考えずとも、日本にあるすべての銀行以上に安全であると思っています。

二つ目は「サービスの良さ」です。海外の金融機関を活用すれば、グローバルな金融サービスがどういうものかということが分かります。つまり、日本のサービスの貧弱度がよく理解できます。「定期預金を作ったときにティッシュペーパーをくれる」のがサービスなどではないということです。預金者の側にたったきめ細かいサービスを受けられます。それから、どんなサービスよりも手数料の安いことが利用者として一番うれしいことです。銀行は本来、貸し出しで利益を得なければならないのに、日本の銀行には融資により利益を得る力がありません。つまり与信能力(お金を借りたい人に適切な金利で貸し出す能力)がないのということです。すると手数料を高くしないと利益がだせません。しかも、日本の銀行員は概ね高給取りですから人件費が高く、世界的に手数料が高くなってしまうということです。一方、海外の銀行はきちっと本業である融資により利益を稼ぎだすことができます。しかも、一部の管理職や専門職の行員を除き、平均的な行員の給与はあまり高くありません。ろくな仕事もしないで何千万もの年収を得る役員や部長などあり得ない話です。だから手数料が3倍とかになってしまうのです。(3割じゃなくて3倍です!)あるいは自分の銀行口座からお金を引き出すだけなのに、時間外という理由で手数料を支払わなくてはならない状況に甘んじないといけないのです。

三つ目は「節税」です。ご存知のように日本で預けている預金の利息からは20%もの源泉徴収がおこなわれてしまいます。これはバカにできない負担です。海外の金融機関に預けている預金からは源泉徴収されませんので、大きな節税効果が出てくるわけです。もちろん、これも所得に違いはありませんから、日本に住んでいる預金者であるならば税務署に申告しなければなりません。ところが、年収2000万円以下の給与所得者の場合、「給与所得以外の副収入の合計額が年間20万円以下であれば申告は不要」という内容の所得税法の特例があります。つまり、ほとんどのサラリーマンにとっては申告が不要であると考えられるわけです。具体的に計算してみると、20万円の利息を得るには、現状の金利水準なら2000万円以上の預金が必要になります(利率1%として計算)。つまり海外の金融機関に預けている預金であれば2000万円程度までは非課税(利率が1%の場合)となってしまいます。もし同じ金額を日本の銀行で同じ利率で預けていたとすると、4万円以上もの税金が徴収されてしまうわけですから、マル優や金利優遇キャンペーンなどをはるかに上回る好条件です。普通のサラリーマンでポンと2000万円を預金できる人は多くはないでしょうから、ほとんどの人にとっては実質非課税ということになります。この低金利時代に利息が4万円も非課税となるのです。こうした話をすると「それって脱税じゃないの?」とか「そもそも海外に銀行口座を持つことは法律で許されているの?」という疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。はっきり申し上げますが、まったくもって正当な行為であり、一切、法にふれるなどということはありません。嘘だと思うのなら、金融庁や最寄の税務署などに確認してください。(ただし、もちろん20万円以上の利息収入があって申告しなければ違法となります。)単純に2000万円相当の利息についての話をしましたが、例えば香港では、銀行預金の利子だけでなく株式の配当やキャピタルゲイン(売却益)などにも一切税金がかかりません。資産運用では2%のパフォーマンス向上となると、かなりの努力を必要としリスクも上がりますが、20%もの節税がちょっとした工夫でできてしまうというわけです。私の持論ですが「効率的な節税が投資のパフォーマンス向上を導く」ということです。

以上の三つのメリットを考えれば、「安全に」「より良いサービスと安い手数料」しかも「非課税」で貯蓄や投資ができる海外金融機関の活用は大きな魅力であると言えるわけです。だから、海外の銀行に資産を預けたいと思う人が増えるというのも非常に理にかなった話だと思えるわけです。

「口座の管理はどうするの?」とも聞かれますが、ネット時代ですから大丈夫です。外貨預金の口座開設なども含めてほとんどの取引がオンラインで可能となります。もちろん、残高報告書や取引明細書だって日本まで送ってくれます。「現金が必要なときは?」とも聞かれますが、日本全国の郵便局のATMなどで現金(日本円)も引き出せます。海外旅行や出張の際もほとんどの国で現地通貨を引き出せますから、手数料の高い両替所などを利用する必要もなくなります。為替リスクが怖ければ日本円口座を作ってそこに入れておいても良いでしょう。さすがに給与の振込先や公共料金の支払い口座への指定はできませんが、VISAなどのクレジットカードを作れば支払にも活用できます。携帯電話などの通話料はカードでの支払いができますから、カード番号を登録しておけばいいだけです。何か問題が起こった時も(めったに問題など起こりませんが)、メールや電話で問い合わせれば懇切丁寧に対応してくれます。私自身が10年以上口座を持ってきて何ら不自由や不満をおぼえたことはありません(日本の銀行には不満だらけですが・・・)。

だからといって、誰もが活用できるということでもありません。さまざまなハードルがあるのも事実でしょう。やはり、相手にする金融機関は外国の会社ですから、基本的に日本語は通じませんし、すべての書類が外国語(英語または口座を開く国の言語)ですから、なかなか口座を持とうなどとは思えないものです。特に、アメリカでのテロ事件以降、各国の金融機関が新規口座の開設には敏感になっています。私が紹介している銀行でも、原則として本人確認のために香港まで行く必要があります。すると、「口座を開くためにわざわざ行っていられないよ」ということにもなってしまうでしょうし、紹介者がいないと口座開設ができない場合もあります。

さて、ここからが今回の本題なのですが(長い前置きでスイマセン)、先日、この銀行のマネージャーから電話をもらいました。何でも、「私(当社代表)が紹介する人であれば、香港に来なくても口座を開設してあげるよ」ということでした。来年(2005年)には、担当者を日本に出張させるので、そこで本人確認して口座開設手続をしてくれるというのです。つまり、パスポートを持ってくれば日本国内で口座開設ができる、ということです。「なぜ私の紹介で?」とも思いましたが、私が「長年口座を保持し、預金だけでなくファンドや為替担保金取引を利用してくれている大事な顧客だから」とか、「お金に関するアドバイス業をしているFPでもありますし」とか、いろいろお世辞っぽいことも言われましたが、銀行側としても「ペイオフ完全解禁をチャンスととらえ日本人の口座を増やそう」というのが本音に違いありません。本来であれば、私のような者に頼まずに、大銀行らしく派手な広告宣伝をすればよさそうなものですが、それを積極的に宣伝できない事情があるのだそうです。日本の金融庁をはじめとする当局を気にしてのことです。金融庁や国税は、日本人が海外に口座をもつことを嫌います。金融庁としては自分達の権限がおよばなくなってしまいますし、国税としては預金から得られる税収が減ってしまうからです。だから、海外の銀行が直接日本人相手に口座開設を勧誘しているとなると、何とかして邪魔しようとします(シテイバンクなどの在日支店は別ですが)。天下の金融庁や国税といえども海外の金融機関に対して権限は何もありません。直接的には何も言えないので、関連企業や子会社に対し嫌がらせをおこなうそうです(何とも日本の役人らしい行動ですが)。世界的な大銀行ですから日本にも関連企業や子会社が当然あります。そこに対し、ちょっとしたことを理由に行政指導やら業務停止やら、国税からは税務調査といった嫌がらせが行われるらしいのです。すると子会社としてもたまりませんから、親会社に対し「日本人を勧誘しているそぶりはみせないでくれ」といった要望がきてしまいます。このように積極的な口座開設活動を行えないなかにあって、私のような人間は利用価値があるのかもしれません。つまり日本人相手のビジネスチャンスだとの思いから私を利用しようということでしょう。理由はともあれ、前述の理由により、銀行名をはじめ詳しいことをホームページ上で公開するわけにはいきませんので、香港に銀行口座を開設したい方がいらっしゃれば詳しい事をご説明いたしますのでお問い合わせください。

誤解なきよう断言しますが、当社では常々公言しているように特定の金融機関等と利害関係をもちません。したがいまして、銀行側から口座開設に際し、手数料をいただくことはありません。あくまで、総合的なマネーアドバイスをおこなったうえで、依頼人が海外に口座を持ちたいという意思があれば紹介者としてお手伝いさせていただくというものです。情報提供と口座開設に費やした時間をもとに口座開設者からコンサルタント料としての報酬を頂戴いたします(もちろん、香港まで行くわけではありませんから、高額なものではありませんが)。それから、銀行側としても口座数を増やしたいというよりは、口座を作ってもらって外貨取引やファンドの購入を積極的してもらい手数料を稼ぎたいわけです。口座の維持にも手数料がかかりますので、あまり小額では海外口座のメリットも生かせませんし、預金だけが目的だと銀行側も口座開設してくれるかどうかわかりません。いま言えるのは、来年、担当者を日本に出張させて日本人に日本国内で口座開設のサービスをおこなうということだけです。また、「日本語堪能なスタッフを置き、日本人口座開設者に万全な体制で臨む」とも言っておりました。いつ来るか、口座開設の基準などは、といった内容は今後打ち合わせる予定です。来月(05年1月)初旬に、別の用件で香港出張を予定しておりますので、時間があれば銀行の担当者と会い詳しい打ち合わせをしてくるつもりですが、いずれにせよホームページ上には公開しませんので、興味がある方はお問い合わせください。


(次回へつづく)

                              (2004年12月29日)

【追記】

出張の際に銀行側と打ち合わせができました。銀行名や口座開設の条件をはじめ、詳しくお知りになりたい方はメールまたは電話にてお問い合わせください。
2005年1月11日)


【追記】A
銀行側の都合により、日本へ担当者を派遣しての口座開設は、当分行わないとのことです。よって、当社におきましても、「海外金融機関口座開設サービス」を提供できませんので、ご了承ください。ただし、現地へ行っての口座開設であれば可能です。サポートできる場合もございますので、詳しくはお問い合わせください。(2005年11月9日)



             注意

このコラムを読んで、投資行為などを始めるのは自由ですが、このコラムの内容(予想を含む)の使用・適用によって生じたいかなる事態に対しても、コラムの著者および潟Oローカルは責任を負いません。投資をはじめるのであれば、リスク管理のための専門的なアドバイスを受けられることをおすすめします。

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