グローカルコラム 69

間接所有の考え方

過去のコラム53「家計革命の金銭哲学Aの中に、次のような箇所があります。

「一方で、私は、日本の税理士や会計士などでは絶対にアドバイスできない究極の節税の方法や高利の資産運用法を指南できます。もちろん、すべて合法かつ安全な方法によるものです。それでも、目的のない運用や単なる資産隠しや所得隠し目的での相談には高額な報酬を約束されても応じるつもりはありません。これこそが私がお金の奴隷にならないための、ひそかな決意であり、自身の金銭哲学の実践に他ならないとの思いからです。」

これを読んだ方から、「日本の税理士や会計士などでは絶対にアドバイスできない究極の節税の方法とはどんな方法か?」というお問い合わせをいただきました。細かいところまでよく読んでいただいているなぁ、という感謝の思いも込めて、そのヒントだけですが、説明いたします。

ポイントは「間接所有」という考え方です。あなたが、ある会社から定期的に報酬をもらうとします。次の二通りの受け取り方法から選択してください。

「あなた名義の銀行口座に毎月100万円が振り込まれる」という方法。

これは、一般的な方法ですから、説明の必要はないと思います。

次に、「あなたの知らない人名義の銀行口座に毎月500万円が振り込まれる。ただし、あなたはこの口座のカードと暗証番号をもっており、いつでも好きな時に引き出すことができる」という方法。

後者の場合、報酬は5倍ですが、あなた名義の預金ではありません。ただし、それをあなたは自由に使うことはできるのです。名義は他人のものだが、自由にそれを使うことはできるというのが、簡単に言うところの間接所有の考え方です。ただし、これだけでは厳密に言うと脱税であるといえなくもありません。(少なくとも日本の国税は脱税と認識するでしょう)ところが、これが法人口座であったらどうでしょう。しかも、その法人が海外の会社であったらどうでしょう。そして、その会社のオーナー(株主)がまったく知らない外国人であったらどうでしょう。それでも、あなたが自由にできるお金であると認定されれば、それは所得として課税されます。でも、認定されなければ課税のしようがありません。

別な例を見てみます。1000億円の資産を持つ会社があるとします。もし、あなたがこの会社のオーナーであるとするならば、どういう所有形態が望ましいでしょう。

「あなた自身が株主と代表役員にもなり、会社の登記簿にあなたの名前が記載される」これが直接所有です。ところが、間接所有の考え方を用いると、あなたの名前は株主名簿にも役員名簿にもありません。これだけだと、あなたと何の関係もない会社になってしまいますが、もし、あなたが役員全員を解任できる白紙委任状と株主が全株式を譲渡する旨の白紙委任状を持っていたとしたらどうでしょう。これが間接所有の考え方です。

日本人は直接所有にこだわる傾向があるようです。持ち家志向などもその表れでしょう。車を持つ場合でも名義にこだわりますから、カーリースなどもあまり普及しません。法人ならカーリースの方が圧倒的に有利にもかかわらずです。だから日本では、こうした考え方が広まることはないでしょうし、理解されることすらないのかもしれません。でも、世界の金持ちは名義にこだわりません。誰が究極的に所有権と支配権を有しているかを問題にします。こうした考え方は、ヨーロッパを中心に発達してきたといわれています。ローマ帝国の時代以来、為政者が変わるたびに資産の略奪の憂き目にあってきた民衆の「財産保全の知恵」と考えることもできそうです。最近では、アメリカ人の金持ちがこうした考えを基に課税回避のために活用するケースが増えているそうです。アメリカ人は世界で最も過酷な課税制度を適用され、世界中どこにいても、どんな所得でも課税されてしまいます。アメリカ人であれば、外国に移り住んで、そこで稼いだお金でも、その国のアメリカ大使館へ行って申告しなければいけないのです。日本ですら、非居住者であれば日本以外での所得には課税されませんので、課税の厳しさから言えば日本以上です。(余談ですが、時折、アメリカのグリーンカードや永住権をほしがる人がいますが、外国に銀行口座もつくれないようなアメリカ国民などにどうしてなりたがるのか、気が知れません)そこで、多くのアメリカ人が間接所有の形態と課税回避地域(「タックスへイブン」とか「オフショア」と言います)を活用して課税を逃れているというわけです。

こうした考え方で、一番の気がかりは、やはり「自分名義じゃないと不安だ」という点なのでしょうが、こうした間接所有の形態は「トラスト」としてきっちりと法律で保護されていますから心配いりません。課税回避地域はイギリス領であったり、イギリスの影響力が強い所が多いのですが、王家を筆頭にイギリスの為政者の多くがトラストを用いて(間接所有で)莫大な財産を課税回避地域に保有していると言われておりますので、こうした国のシステムに政治的・法律的なメスが入ることはありえないとも言われています。その「トラスト」とは、日本語にすると「信託」というふうに訳されてしまうのですが、信託銀行などが用いる信託の考え方とはまったく異なるものです。非常に説明が難しいので、ここでは解説しません。興味のある方はご自分で調べみてください。

私には、こうした指南を専門的におこなう会計士の知人がおりますので(もちろん日本人ではありません)、コラム53のような記述になりました。以上の説明だけでは、中途半端で納得できないとは思いますが、詳しいことをホームページ上では公開するわけにはいきませんので、興味のある方はご自分でお調べください。当社にお問い合わせをいただいてもかまいませんが、あくまで記述のように「目的のない運用や単なる資産隠しや所得隠し目的での相談には高額な報酬を約束されても応じるつもりはありません」ので、あらかじめご了承ください。


(次回へつづく)

                              (2005年1月26日)



             注意

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